
この男性を見たことがありますか?
もし見たことがあるのなら、思い出してください。
どこで見ましたか?通勤電車の中?よく行く定食屋さん?
それとも・・・
夢の中で?
今回は謎の男This Manと、
その真実から垣間見える情報社会の闇についてのお話です。
This Manとは?

This Manとは2006年ごろから存在が確認されている謎の人物です。
実に2000人を超える世界中の人々からの目撃情報が寄せられているにもかかわらず、彼については名前、国籍、年齢などの情報が何もわかっておりません。
分かっているのは目撃者の似顔絵で必ず書かれるこの特徴的な顔。
そして顔以外に目撃者の証言すべてに一致しているこの証言。
それは彼が夢の中にのみ繰り返し現れるということ。
現実では決して姿を現さず、実際に見たことがある人は誰もいないということです。
夢の中にのみ現れる謎の男、それがThis Manなのです。
This Manに感じる違和感
皆さん今のお話を聞いてどう思いましたか?
何か違和感を感じる部分はありませんでしたか?
もしなにも違和感なくお話を聞いている方がいるならば、その方は少し情報を簡単に信じすぎる傾向にあるかもしれませんのでご注意ください。
違和感を感じてほしいのはこれらの点です。
・なぜ曖昧な夢の中の記憶なのに明確に顔を憶えているのか。
・2000人もの人物の夢に登場したのに、顔以外の情報が出回らないのはなぜなのか。
・夢の中にしか現れないとなぜ言い切れるのか。
これらに違和感を感じながら読み進めていただいた方は情報を鵜吞みにしない方達ですね、嘘を嘘と見抜く、現代社会に必要な能力が既に備わっている方たちだと思います。
なぜそう言えるかって?
だってこの話、まったくでたらめな作り話だからです。
この都市伝説の真実

さてここからはネタバラシ。
このお話、実はイタリアのマーケティング専門家が作り出したフィクションなんです。
This Manの本当の目的はゲリラマーケティング。
つまり、少額の予算で効果的に商品やサービスを宣伝するためのマーケティング戦略の一環として生み出されていたことが、この専門家の口から語られています。
一体何の宣伝のためにThis Manの噂を広めたのかはまだ語られてはいませんが、
当時作成計画にあった映画の宣伝や、人の噂の広まり方を調査することが目的であったとされる説が有力視されています。
意図的に拡散されたに過ぎないはずの作り話がここまで大きな話題となり、世界的な都市伝説にまで成長してしまったわけなんですね。
This Manが教えてくれる情報社会の恐怖

今回のお話を通して皆さんにお伝えしたいことは、ネットや世間で共有されている情報は例え多くの人の中で常識となっているようなことでも、本当かどうかはわからないということ。
そして意図的に真実でない情報を流したとしても、それが驚くほど簡単に信じられてしまうということです。
今回のThis Manは誰かに不利益や不幸をもたらすようなものではないですが、現実では嘘の情報商材などをいかにもな理由で売りつけてくるような人間が一定数いますし、まったくでたらめな噂を流され炎上や誹謗中傷されることもあるのが今の情報社会です。
みんなが信じていることなら事実確認もせずに信じてしまう人が多いからこそ、よく考えたらありえないとわかるような話も平気で信じられていたりするわけですね。
人の意見ではなく、自分の価値基準でしっかりと情報を精査し、正しいことを判断する、難しいことですが、これが今の情報社会に求められているスキルです。
もし怪しい話や旨すぎる話を耳にした時は、This Manの顔を思い出してください。
この印象的な顔の男性が皆さんのことを守ってくれるかもしれませんよ。
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