前回の記事で日本政府が公式に発表している「ムーンショット目標」という計画についてその概要と中身の前半部分についてお伝えしました。
持続可能な世界を目指すためにAIや機械をさらに発展させ、人間と機械の融合まで果たそうとしているムーンショット目標。
この目標を掲げる日本はどのような未来を目指しているのか。
今回は掲げている目標の後半部分にあたる残り4つの目標と、そこから見る今後の日本について考察してみたいと思います。
前半をまだ見ていない人はこちらから!
また政府のホームページも併せて読んでみてください!
では後半もかなりぶっ飛んでいますので、ぜひお楽しみください!
地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現

4つ目の目標は資源の循環システムを進化させ、使った資源をすべて再利用可能な形に変化させ、再利用していくこと。
廃棄物やごみによる環境汚染が深刻化しており、それらが原因で絶滅の危機に瀕しているものや、それらを食べた生物の体にまで影響を及ぼしていることはかねてより問題視されてきました。
その問題を解決させるべく取り入れられている目標が、すべての資源をリサイクルできるシステムを生み出すこと。
確かにこれが可能であれば、廃棄物が出回る心配もなく環境汚染に歯止めが効きそうですね。
未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出

続いての目標は食品ロスの問題に関して。
食料品の無駄をなくすことで地球環境や生態系に影響を与えることなく充分な食料を世界のすべての人に平等にいきわたるような仕組みを作ろうという目標です。
掲げている物は大変すばらしいのですが、注視すべきはその取り組みのためのプラン。
家庭や飲食店からの食べ残しをまとめてカートリッジ化し、それを3Dプリンタで再度食べ物の形に戻そうというのです。
食べ残しをゼロにするという考えは大変すばらしいですが、これが実現されるともはや人が何を食べているのか全く分からなくなりそうで恐ろしいですね。
栄養さえ取れれば味や見た目は気にしないという食文化が根付くようになっていくのでしょうか。
経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現

6つ目の目標は言葉だけでは少し伝わりづらいですね。
簡単に言うと全く新しい計算をできるコンピュータを開発することで、AIの能力を飛躍的に向上させていくという目標です。
今の計算法方法を採用したAIでは思考に限界が生じてしまうのでその限界を取り払おうという、まさにシンギュラリティ到達を目指した目標ですね。
これからいかにAI依存の世界になるかというのは、これらの目標を見るだけでも一目瞭然ですね。
パソコン関係の知識がゼロの方や苦手意識がある方は、これからの社会で搾取される側に回る可能性が極めて高いです。
今のうちから最低限の知識だけでも身に着けておいた方が安全かもしれませんね。
主要な疾患を予防・克服し100歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現

最後の目標がこちら、単純に健康的に生きられる寿命を100歳まで伸ばそうというわけですね。
その実現のために医学を飛躍的に進歩させて病気のリスクなく誰もが健康的に暮らせる社会を実現しようというのがこの目標の趣旨です。
こちらも目標自体は素晴らしいのですが、怪我病気がなかったとしても自然の衰えで100歳を超えて自由に動き回れる人はそういません。
だからこそ前編で紹介した機械のアバターを生産し、自分の代わりに動いてもらうという発想に至るわけですが、それが果たして健康的な人間のあり方と言えるのでしょうか。
自然の摂理さえ捻じ曲げようとしているこの目標に違和感を覚えてしまうのは私だけでしょうか・・・。
ムーンショット目標の先にある人の姿

さてここまでムーンショット目標についてお話してきましたがどうでしたでしょうか?
AIやその他の技術を駆使して文明を急成長させることで、持続可能な人類の繁栄を目指そうというこの目標。
素晴らしい考えではあるものの自然の摂理を無視している部分も少なくなく、そこに一抹の不安を覚えてしまいます。
もしこの目標がすべて達成されたとしたらどんな未来が待っているのでしょうか?
人の代わりに機械が働き、人もまた機械のアバターを通して機械として生活する。
衛生的管理された安全な部屋の中から外出する必要もなく、自ら身体を動かす必要すらない。
食料は固形燃料のような栄養だけ担保されたものを食べ、あらゆる判断さえもAIの力を借りて考えるようになっていく。
かなりネガティブな捉え方をしてしまいましたが、おおよそこんな感じになるでしょうか?
そうすると人間側も今の身体を維持する必要はなくなりますね。
機械が動くので手足の筋肉はほとんど必要ありません、外出が減り日の光を浴びることもないので体毛も必要ないでしょう。
食事も印刷された栄養分ですから、顎の筋肉もいりませんね。
代わりに必要なのは、AIの思考を読み解くための脳と、現実世界で最低限の物を認知するための目くらいでしょうか。
さてこれらを総合して導かれる人の進化した姿は・・・

これからの未来が楽しみですね。
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