日本の物語において太古から語りつがれてきた存在「鬼」
最近では空前の「鬼滅の刃」ブームにおいて改めてその名が騒がれるようになりましたね。
今回はそんな鬼についてお話していきたいと思います。
鬼滅の刃ファンの方はよかったら読んでみてくださいね!
鬼の起源

そもそも鬼とはどんな存在でいつから語られるようになったのか、まずは鬼の起源についてみていきましょう。
日本に残る書物の中で最初に鬼という言葉が登場したのは「日本書紀」。
その中の西暦544年の記事において「彼嶋之人言非人也 亦言鬼魅不敢近之」
と記述されたのが始まりとなっています。
意味としては「その島には人ではないと言われている人がおり、鬼と言われて近づかない誰も近づかない」と言った感じです。
人ではない人とは佐渡島に渡来していた粛慎人という民族の事を指していたとされていて、この当時における鬼とは物語に出てくるような人を食らう怪物のことではなく、日本人とは異なる人種の人々のことを意味していたとされています。
自分たちと異なるものという意味で使われていた鬼という言葉が転じて、今の鬼の意味へと変化していったというわけです、我々のイメージする鬼の姿が二足歩行で人に近い形をしているのもこれが理由だとすればうなずけますね。
鬼の容姿について

さてそんな鬼ですが、私たちが鬼と言われてイメージする姿といえば、頭に角を生やしたアフロヘアー、そして牙や爪鋭い爪を持っている、赤や青の肌をした怪物ですよね。
他に虎柄のパンツや大きな金棒を持っているというのが共通の認識なのではないでしょうか。
このイメージの由来は「鬼門」と呼ばれる鬼が出入りをするための門がある方角と関連しているとされています。

陰陽五行説において鬼門があるのは北東とされており、その方角に干支を当てはめた時、北東は丑と虎の真ん中に位置しています。
そのため丑と虎の特徴が鬼の容姿に反映され、丑のような角と、虎のような牙、そして虎柄のパンツを履くような鬼がいくつかの書物で描写されるようになり、このイメージが定着していったというわけですね。
しかし当然ながらこのイメージはあくまでも一例にすぎず、鬼の容姿については他にも様々な説があります。
中には鬼は人間と変わらない見た目をしているという説もあり、美男や美女の姿で語られることも多かったりします。
「鬼滅の刃」における鬼の描写がそれに近いですね。
そういった意味では、鬼は漠然としたイメージこそあれど他の妖怪や怪物と比べると定まった特徴がなく、どちらかというと概念に近いような存在と呼べるのかもしれませんね。
現代の鬼

そんな鬼ですが現代ではどのように存在していて、どんな役割を担っているのでしょうか。
現代で鬼はその怪物そのものを指すよりも、どちらかというと「怖い」や「強い」というイメージの例えとして使われるケースが多いですよね。
「鬼のような形相」、「鬼のように強い」などというように、表現を強調するような時によく使われています。
これもまた鬼というのが定まった形がある怪物ではなく、概念として捉えられていたことから転じたものだと考えることができますね。
決まった形を持たなかったからこそ様々な意味を持ち、形を変えて日本の文化に今も根付く結果となったのでしょう。
鬼というのは存外器用な存在なのですね。
最後に

さて今回は鬼についてお話いたしましたがどうでしたでしょうか?
日本において古来から語りつがれ、現代でもその名前を知らないほど有名な存在「鬼」
怪物や、妖怪などの架空生物の中でこれほど身近な存在もそう多くはいないでしょう。
架空生物は時の流れとともに忘れ去られてしまったり、語られなくなることで存在が消滅してしまうケースも多いですが、鬼に関してはその心配はなさそうですね。
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