今回は怖い実験シリーズ第4弾
今までのシリーズを読んでいない人はよかったら過去の記事も併せて読んでみてくださいね
さて今回取り上げるのは今までよりもさらに倫理観を無視した非道なもの
「赤ちゃんや子供」を被験者とした実験となります。
人間の狂気に触れてみたいという方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
アルバート坊やの実験

最初に紹介するのはアルバート坊やの実験
この実験は「パブロフの犬と同じ効果を人間にも与えることは可能なのか」ということの検証を目的として行われた実験です。
内容としては生後1年も経っていない幼児(彼の名前がアルバート)に実験用のラットを抱かせ、そのラットを抱いているときに、恐怖感をあおるようにバケツで大きな音を鳴らして幼児を怖がらせるという検証を行いました。
こうすることで次第に幼児がラットを見ると怖がるようになるのではないか、と研究者たちは予想していました。
結果としては予想通り、幼児はラットを見て泣き出すようになってしまいます。
さらに想定以上にこの効果は強く働いてしまい、最終的には羽毛やうさぎ、犬、毛の生えたサンタのお面など、ラットを連想させるようなものを見ただけで幼児は泣き出すようになってしまったのです。
実験者のワトソン教授はこの結果を受けて「人の人格は遺伝ではなく、経験によって決まるものだ」と結論付け、この実験の正当性を主張していたようですが、理不尽にトラウマを植え付けられた幼児の心境を考えると非道な実験であったと断ずるより他ないですね。
モンスター・スタディー

1939年にアメリカのアイオワ大学にて心理学者のウェンデル・ジョンソン博士が行った、レッテルに関する実験です。
この博士は吃音、すなわち言葉の発音が上手くできない22人の孤児を集めてその孤児を2つのグループに分けられ、孤児たちに言語治療を受けさせます。そのグループのうち1つに属する子どもたちは治療の様子を褒められ、肯定的な言葉をかけられました。しかし2つ目のグループに属する子どもたちはそれとは正反対で否定的な言葉をかけられたり、時には罵倒されるなど、徹底的に病状に関して否定的な態度をとられました。
すると肯定的な言葉をかけられたグループは発音こそ治らなかったものの、自信を持って堂々と話せるようになりましたが、否定的な言葉を受け続けたグループの子供たちは自信がなくおどおど怯えるようになり、学力も低下し、ひどい症状の子供は一生治らない言語障害を起こしてしまったのです。この実験は後に訴訟問題に発展するほど子供たちに大きな影響を与えることとなりました。
人の人生に大きな影響を与える、レッテルというものは恐ろしいですね。
フリードリヒ2世の実験

最後に紹介するのは1200年頃に学問と神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ2世が行ったコミュニケーションに関する実験です。
フリードリヒ2世は言葉を学ばずに育った子供はどうなるのか、という点に疑問を持ちました。なんと彼は「人間は生まれたときから自分の言葉をもっているため、言葉を交わさずに子供を育てれば、勝手にヘブライ語を話すようになるだろう」と考えたのです。
そこでこれを検証すべく彼は生まれたばかりの50人もの赤ちゃんを集めさせて、それぞれ部屋に隔離させます。
そしてその子たちを、目を見ず、声もかけず、表情のコミュニケーションもとらないが、食事や排せつ・お風呂の世話はきちんと行うという特殊な状況下で育て始めました。
生きる上で最低限の世話はするもののそれ以外のコミュニケーションは一切取らない、という状況を生み出したわけですね。
そうして育てた赤ちゃんはどうなったのか、結果はその全員が1歳の誕生日を迎えることなく亡くなってしまったのです。
この最悪な結末はコミュニケーションがいかに重要なのかを、現代を生きる我々に知らしめています。衣食住が整っているだけでは人は生きていくことができないのですね。
最後に

さて今回は赤ちゃんや子供を実験台とした恐ろしい実験を紹介いたしましたがどうでしたでしょうか?
幼児や子供はもちろんですが人は我々が考える以上に外的要因を受ける生き物なのです。
社会の決めつけを当たり前に信じ、レッテルを張られればそれに沿うように動いてしまい、社会的つながりを絶たれることを何よりも恐怖する。
脆弱ですがこれが人間なのです。
この本質を知っていれば、社会のあらゆるからくりやビジネスの仕組みについて見えてくるものがあるかもしれませんね。
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