世界には様々な不思議な人工物が存在します。
そしてその中のいくつかは、現代の技術でも再現不可能なほど精巧に作られているため、今の世界にはない技術が用いられていたのではないかと考えられているものがあります。
そういった失われた技術で作られたものは先史遺産、通称「オーパーツ」と呼ばれていますね。
今回はそんなオーパーツの特集を、と言いたいところですが少し切り口を変えて、
現代技術で作り出すことはできても、なぜ作ったのかが分からない不思議な人工物をご紹介したいと思います。
先史遺産とはいかなくても
「なぜこんな場所に?」
「なぜこんな手のかかるものをわざわざ作ったの?」
「いったい誰が作ったの?」
など、たくさんの謎が浮かんでくる不思議な遺産の世界を覗いてみましょう!
コスタリカの石球

出典:CC 表示-継承 3.0
最初に紹介するのは1930年頃、南米のコスタリカにて発見された石でできた球体「コスタリカの石球」です。
別名「ディキスの石球」とも呼ばれるこの球体は1つではなく様々な場所に存在しており、既に300個以上も見つかっています。
大きさもまちまちで数センチほどの物もあれば、2メートルを超える巨大なものもあり、そちらの重量はなんと24トンもあるのだそうです。
素材としては花崗閃緑岩や斑糲岩、石灰といった岩を削って作られているため、西暦300~800年頃のディキス石器文化時代に作られたのではないかと考えられてはいますが、詳細は明らかになっておりません。
この石球自体は今の技術で再現可能ですが、なぜこの量の石球が作られ置かれているのかは現在でも明らかになっておりません。
バグダッド電池

出典:CC 表示-継承 2.5
こちらは1932年頃にバグダッドで発掘された土器の壺の形をした謎の出土品です。
大きさは高さ10センチで直径約3センチほど、土器の中にアスファルトで固定された銅の筒と、さらに内部に鉄の棒が差し込まれています。壺の底には何か液体の痕跡が残っています。
発掘された当時用途が明らかになっておりませんでしたが、その形状から電池なのではないかという説が生まれ、実際に電池メーカーの実験が行われた結果電流を発生させることに成功したため電池説が濃厚とされています。
しかし本当に電池なのか疑問を持つ人は少なくないこと、たとえ電池だったとして何のために作られたのか、何に使用していたのかなどといったことは現在でもすべて謎に包まれています。
モアイ像

こちらは誰もが知っている、イースター島にある人型の石像です。
900体以上も存在するこの石像、かなり巨大であり、大きさは3~5メートル、重さ20トンほどのものが多く見つかっています。
一番大きいものでは20m、重さ90トンというものもあり、過去にここにいた文明が作り上げたにしてはあまりに巨大であることが話題となりました。

この巨大な石像を加工する技術と、特定の場所まで運搬する技術を有しているという点で、相当高度な文明がイースター島に存在していたのではないかと仮説が立てられています。
現在では運搬自体は工夫次第で可能であったという見方がされていますが、肝心のモアイ像の作成理由と使用された用途については今も多くの謎が残されています。
聖ヨゼフの螺旋階段

出典: Butler Cain
最後に紹介するのはアメリカのニューメキシコ州にある「サンタフェロレット教会」にある「サンタフェの奇跡」と呼ばれる螺旋階段です。
作成されたのは1870年後半頃と飛びぬけて古いわけではありませんが、長きにわたり話題となっているのはこの螺旋階段の構造です。
この螺旋階段は2回転して上るように作られた構造となっており、写真では脆そうな作りに見えますが、20人の大人が乗っても壊れないほど頑丈な構造となっているのです。
さらに注目されているのが、そのような頑丈な作りであるにもかかわらず、階段をさせる柱がなければ、接着剤等も一切使われていないことです。
加えて誰が作ったのか、なぜのような構造となったのか等もすべて明らかになっていないことから、この階段は今でも度々謎の建築物として議論の的となっています。
最後に

今回はなぜ作られたのかが分からない、不思議な人工物についてお話してみましたがどうでしたでしょうか?
これらは現代の最新技術を用いれば作成すること自体はできるものの、当時の技術でそれを作ったというのは素直に驚かされます。
そして何よりなぜこうした物を作ったのかというのが分かっていないことから、これらの人工物の意義については今でも熱い議論が交わされています。
当時の人達が、未来で自分たちの作ったものがこのように考えていることを知ったら驚くかもしれませんね。
そしてもしかしたら我々が普段当たり前のように使っている機械や道具などの技術も、遠い未来では同じようになぜ作られたかわからない不思議なものとして議論される日が来るかもしれません。
そう考えるとなんだかワクワクしますね。
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