前回の記事でFacebookの社名変更についてお話しましたね。
新たな社名がMetaに変更されたこと。

それに伴い、メタバース世界、つまり仮想現実に力を入れていくという方針転換していくという発表は世間を大きく騒がせることとなりました。
Facebook社が本腰を入れて取り組むならば、仮想空間が身近な物になる日が近い。
そう期待する人も多い反面、仮想空間が我々の世界に浸透することに懸念を示す人がいるのも現状であり、仮想空間が広まることは手放しに喜べる状況ではないようです。
一体なぜ仮想空間に懸念があるのか。
今回は仮想空間が孕んでいる危険性についてお話致します。
現実と虚構の区別が付かなくなる

仮想空間の普及を語る上で必ず議論されることが、現実と非現実の区別をつけられなくなるのではないか、という問題です。
仮想空間にいる時の没入感が高まり、現実世界にいる時と遜色のない感覚を得られるようになったならば、脳が正しく識別できなくなり
自分が今現実世界にいるのか仮想空間にいるのかの判断ができなくなるのではないか、

そういったことが懸念されているのです。
仮想と現実が区別できなくなるなどあり得ない。
そう思われるかもしれませんが、現時点でVRの映像をまるで実体験のように感じている人も出てきているため、より高いクオリティの仮想空間が登場した場合本当に虚構と現実の判断ができなくなる人が現れるかもしれません。
現実での事故や犯罪の増加

仮想空間が流行すると現実世界で事故や犯罪が増える可能性がある。
そのような意見も数多くあります。
理由は大きく2つあり、
1つ目は虚構と現実の区別が出来なくなった人が、虚構世界で行った危険な行いや犯罪行為を現実世界でも行ってしまうことで、事件や事故に繋がるのではないかという懸念。

もう1つは、仮想空間を使用する際に現実世界の視界が失われてしまうことで、怪我をしたり、スリや痴漢などの被害に合うのではないかという懸念です。
毛色が全く違う2つですが、もしこれらが本当に頻発してしまうようなら、仮想空間そのものに規制が入ってしまうかもしれませんね。
見たくないものを見せられる

先程述べた視界が支配されるという問題は別の懸念も孕んでいます。
それは視界をジャックすることで、利用者が見たくないものでも強制的に見せられるというもの。
VRゲームの開発者である、バンダイナムコエンターテインメントの原田勝弘さんは過去に以下のように発言しています。
「VRを用いれば、数千人を一斉に車酔いさせ、嘔吐させることも可能」

視界を掌握している以上、画面酔いなどしやすい映像を見せて利用者を動けなくするなどといった事も可能だと言うのです。
実際の仮想空間開発者からこのような発言が出ると少し怖くなりますよね。
画面酔いするだけならまだ良いですが、
過激な映像を用いて利用者にトラウマを植え付けるといった、心身に影響を及ぼすような使われ方も出来なくはないと考えると、視界が乗っ取られるということの危険性が見えてきますね。
洗脳への流用

最後は仮想空間の性質上、高度な洗脳行為が行えるのではないかという危険です。
仮想空間のクオリティを高めていくとすると、先程のように視覚はもちろん
聴覚や嗅覚といった五感の全てを仮想空間にリンクさせる必要が出てきます。
感覚の全てが仮想空間とリンクする、SF世界のようなロマンを感じる話ですが、これはかなり瞑想状態に近い感覚に陥るようで、状況判断や自分の感情のコントロールが難しくなってしまいます。
イメージするなら夢を見ている感覚に近いでしょうか。

夢の中で見るものはどんなに現実味がないものでも、なんの疑いもなく本物だと信じてしまいますよね。
仮想空間がこれと同じ状況を生み出してしまい、それがもし悪意ある者に利用されてしまえば、
あらゆる洗脳や暗示などによって利用者を意のままに操れてしまうのではないかと言うことです。
ゲームで遊んでたつもりが洗脳されていた、本当にSF映画のような話ですね。
最後に

さて今回は仮想空間の危険性についてお話しましたがどうでしたか?
様々な可能性を持ち夢に溢れた仮想空間の世界。
しかし本来存在しないものである以上、現実に及ぼす影響も計り知れません。
この最先端技術を手放しに受け入れ生活に取り入れても良いものなのか。
慎重な判断が必要になりますね。
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