日本には「三大奇書」と呼ばれる本が存在しているのをご存じでしょうか?
「奇書」、すなわち普通の物とは一線を画すほど奇抜で怪奇な本の事です。
そして「三大奇書」はその中でも特に異質な3冊であり、読んだ人間の精神に何かしらの影響を与える可能性があるとまで言われています。
今回はそんな奇怪で危険な三大奇書についてご紹介いたします。
ドグラ・マグラ
「ドグラ・マグラ」の名前を聞いたことはあるという方は多いのではないでしょうか?
作家の夢野久作が1935年に発表した小説であり、なんと完成までに10年以上の歳月がかかっているそうです。
本書のあらすじは
九州大学医学部精神病科の病棟にて記憶喪失になってしまった「わたし」が目を覚まします。
記憶がないことにショックを受ける「わたし」の前に、九州帝国大学教授の若林博士が現れます。
そして彼は「わたし」の正体が一ヶ月前に亡くなった正木博士という人物の患者であること、彼が行っていた「狂人の開放治療」という実験の被験者であることが知らされます。
そして失われた彼の記憶を巡って物語が進んでいくのですが、彼の記憶を戻そうとすればするほど理解できない現象が起こり始め・・・というもの。

これだけ聞くとよくあるミステリー小説のように思えるかもしれませんが、非常に難解な構成となっており、一度読んだだけで理解できる人はほとんどいないのではないかと言われるほどです。
そして物語の中にも小説「ドグラ・マグラ」が登場するなど、読者を困惑させるような演出もふんだんに盛り込まれており、まるで夢の中にいるような奇妙な体験ができる一冊となっています。
黒死館殺人事件

こちらは小栗虫太郎が1934年から執筆を開始した長編探偵小説です。
かつて黒死病の死者が発生していた城に似ていることから黒死館と呼ばれる館がありました。
この黒死館と呼ばれる館で不可解な死を遂げた人物の謎を解き明かすために、依頼を受けた探偵の「法水麟太郎(のりみず・りんたろう)」が黒死館に乗り込んで事件の解決にあたっていくというお話です。
謎の開始事件に挑む探偵というのは、小説としてありがちな展開だと思われるかもしれません。
しかし法水麟太郎が繰り出すのは呪術や暗号学というように、かなり偏った知識が基礎となった特殊な専門用語だらけの推理であり、一般人には到底理解ができません。
まるで映画パプリカのワンシーンのような何を言っているのかわかるようで全く分からない、ぶっとんだ推理が展開されるこの小説もまた、紛れもない奇書の一冊ですね。
虚無への供物

最後の作品は作家、中井英夫の推理小説であり1964年に単行本として刊行されました。
物語は宝石商として富を築いた氷沼家の間で不可解な死が絶えないことから、当主の従弟である大学生の藍司が、本作の主人公であり探偵小説家志望の奈々村にこのことを相談することから始まります。
奈々村がこの一族で起きた怪死事件の謎を、持ち前の小説家としての推理力で解決していく話。
かと思いきや、なんと彼はこの一族でまだ起こっていない事件を推理する、という奇妙な推理ゲームを始めます。
さらになんと氷沼家の人々も奈々村に乗る形で、推理ゲームに参加しそれぞれの知識を用いて推理を繰り広げるのです。
そして次第にそのゲームが次なる事件を招いていくという何とも奇妙なお話です。

本作が奇書と言われる最大の要因は、推理小説であるにもかかわらず「起きた事件を推理する」のではなく「起こる事件を推測する」という展開になっていることです。
そして我々読者と同じように、これから起こるであろう事件や今後の展開を楽しんでいるかのようなメタ的な登場人物たちがより一層この作品が通常の推理小説と一線を画していることを際立たせています。
通常の推理小説に見飽きた方などもしいたら、ぜひ本作を読むことをお勧めしたします。
最後に

さて今回は「三大奇書」についてご紹介してみましたがどうでしたでしょうか?
元々本は現実(ノンフィクション)とは異なる世界観を楽しむ目的で読まれることも多いですが、そのフィクションを前提とした本の中でも奇書と評される今回の三冊。
少し気になってきませんか?
興味を持った方がいたら、ぜひ試しに読んでみてください!
もしかしたら少しだけ精神に異常をきたしてしまうかもしれませんが。
もしかしたら少しだけ精神に異常をきたしてしまうかもしれませんが。
もしかしたら少しだけ精神に異常をきたしてしまうかもしれませんが。
もしかしたら少しだけ精神に異常をきたしてしまうかもしれませんが。
もしかしたら少しだけ精神に異常をきたしてしまうかもしれませんが。
コメント