今回は2ちゃんねる発の有名な都市伝説「きさらぎ駅」についてです。
かなり有名なお話ですので内容説明というよりは、切り口を変えて「きさらぎ駅」がなぜここまで有名になったのかという考察をメインでお話していきたいと思います。
それでは早速行きましょう!
きさらぎ駅

まずは知らない方のために、きさらぎ駅について軽くお話していきたいと思います。
「気のせいかも知れませんがよろしいですか?」
このお話は2004年1月にこのつぶやきから始まります。なんでもこの投稿者さんは、日ごろから使っている電車に乗っていたところ、その電車が一向に止まる気配もなく走り続けていて、不審に思ったためにこの投稿をしたのだそうです。
20分以上走り続けたところでやっと電車は無人駅に停車しました。
その駅の名は「きさらぎ駅」。
投稿者は聞いたこともない駅に戸惑いつつもそこで降りることを決めます。
その駅の周辺に何もないことを確認した投稿者は仕方なく線路を歩いて帰ることにするのですが、その途中で太鼓を鳴らすような音と鈴のような音が聞こえたり、片足だけの老人が現れその場ですぐに消えてしまうなど、数々の奇妙な現象に遭遇します。
恐怖に駆られながらも歩き続けた投稿者は「伊佐貫トンネル」というトンネルにたどり着き、そこを抜けた先で見知らぬ人物に会います。
なんでもその人は近くの駅まで車で送ってくれるというので投稿者は車に乗り込んだのですが、なぜか車はどんどん線路から離れ山の方に向かっていき、その人物も無口になっていき携帯電話のバッテリーまで尽きてしまいます。
「もうバッテリーがピンチです。様子が変なので隙を見て逃げようと思っています。先程から訳のわからない独り言を呟きはじめました。いざという時の為に、一応これで最後の書き込みにします」
この投稿を最後に投稿者からの発信は途絶え、その後については何も明かされておりません。
これがきさらぎ駅という物語です。さてここからは考察、なぜきさらぎ駅がここまで有名な都市伝説になったのかを考えていきましょう。
筆者としてはその理由は大きく3つあると考えています。
千と千尋の神隠しが広めた「神隠し」という現象

まず第一の理由は気が付くと全く見知らぬ場所にいるというこのシチュエーション。
これは「きさらぎ駅」がネットに投稿される3年前に爆発的にヒットした映画「千と千尋の神隠し」の状況と酷似しています。
その結果当時のスレッドでも神隠しなのではないか?として大いに盛り上がりを見せました。
神隠しという言葉自体は昔からあるものではありますが、それが非常に話題となった2000年代前半に似たような現象が起きたために、「きさらぎ駅」はここまで広がりを見せる結果となったのではないでしょうか。何事もタイミングなのかもしれませんね。
投稿媒体が2ちゃんねるであった

筆者的にこれが一番重要な要素だと思っています。
投稿媒体が2ちゃんねるだったのは単純にTwitterなどが2004年時点でまだできていなかったことがあるかもしれませんが、2ちゃんねるに投稿されたことでこの話は単なる怖い話ではなくなり、投稿を見ていた人たちも巻き込みその臨場感で大いに盛り上がりました。
投稿者が体験していることを、ほかの閲覧者たちが質問などを通して知ることができ、あたかも一緒にその駅での出来事を体感しているかのように感じられたこと、そしてその臨場感や緊張感がひしひしと伝わってくるようなスレッドが残ったことで、このお話はその後も語り継がれるような、有名な都市伝説になったのです。
オチが語られていない

3つ目の理由は、このお話の最後はバッテリー切れが理由で唐突に終わっており、その後について一切語られていないということ。
これによりスレッドを見た多くの人々が、その後投稿者さんはどうなったのか、無事家に帰ることができたのか、そもそもきさらぎ駅は実在するのか、など様々な妄想を引き立たせることとなり、実際のスレッドにおいても様々な考察がなされることとなります。
その結果、この疑問を埋める形できさらぎ駅がどこにあるのかを知る人物の投稿や、きさらぎ駅同様に不審な駅に降り立ってしまった人物の体験談などのスレッドが並び立つようになり、その始まりとなった「きさらぎ駅」は大きな話題となったのです。
多くを語らず想像の余地を残した結果、その想像からさらにお話が大きくなっていったというわけですね。
最後に

今回はきさらぎ駅についてお話してみましたがどうでしたでしょうか?
きさらぎ駅は、SNSが普及していない2ちゃんねる全盛期だったからこそ流行したお話の一つとも言えますね。
このお話に限らず、怖い話や都市伝説は当時の情勢や流行を色濃く反映している物がたくさんあります。
反響があればそうした時代背景を理由に流行した都市伝説や怖い話についてもいくつかご紹介していきたいと思います。
よかったら楽しみにしていてください!
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