東京に眠る謎~本所七不思議とは?~

都市伝説

「七不思議」
その土地や場所に伝わる怪奇現象や都市伝説をまとめたものは古くからこう呼ばれています。
ちなみに七不思議が「七つ」である理由なのですが、諸説ありますが人間が認知できる物事の数が多くても7つまでだからだと言われています。
「八百万の神」・「八百屋」などのように8以上になると数えきれないほど多いという意味合いになってくるため、数えられはするけれどたくさんの不思議があるという意味で「七不思議」と言われるようになったのだとか。
そのため厳密には七不思議といっても謎が7つあるから七不思議というわけではないのです。なんとも曖昧な言い回しですね。
さてそんな七不思議ですが各地方に様々なものがありますが、今回はその中でも東京の墨田区周辺に古くから伝わる「本所七不思議」についてご紹介いたします。
ちなみに「本所七不思議」もすべて挙げようとすると10個以上にもなってしまうので、代表的な7つの謎をお伝え致します、ミステリー好きの方は必見です!!

置いてけ堀

江戸時代で墨田区周辺にまだ水路などが多かった時期、あの周辺では多くの魚を釣ることができました。
そのため錦糸町などのあたりにも釣り堀があり、町人たちはよくそこで釣りをしていたようなのですが、ある日大量の魚が釣れ上機嫌で帰ろうと思っていた時に、堀の中から「置いていけ」という恐ろしい声がしたので、町人は一目散に逃げかえりました。
やっとの思いで家につきましたが、魚を入れたかごを見てみると大漁のはずの魚が一匹も入っていませんでした。
これは狸、あるいは河童の仕業なのではないかと噂されています。

送り提灯

送り提灯は夜に提灯ないしは明かりを持たずに歩いている人の前に現れると言われています。まるで提灯のようにゆらゆらと光る明かりが現れ、夜道も安心だと思いついてくと、不意に明かりが消えてしまいます。
しばらくするとまた明かりがつくのでもう一度近づこうとするのですが、近づくとまた
先ほど同様に消えてしまうので、結局いつまでたってもその光には追い付けないのだとか。
この光の正体については今でも解明されておりません。

送り拍子木

送り提灯の別パターンと言われているのが、この送り拍子木。
こちらは提灯の代わりに「火の用心」の掛け声とともに拍子木を打って夜回りすると、拍子木の音が自分の打った拍子と同じような調子で繰り返して聞こえ、自分を送っているように聞こえるのですが、背後を振り向いても誰もいないというものです。

足洗邸

江戸時代のとある屋敷でのこと。
この屋敷では夜になると、天井裏から轟音が響き渡ったと思うと「足を洗え」という声と共に、天井を突き破って大きな足が降りてくるのです。
言われたとおりに洗えば満足して天井裏に消えていくのですが、洗わないと怒って天井を踏み壊して暴れるのだそうです。
困り果てた屋敷の主が知人に相談したところ、興味を持った知人が屋敷を交換してくれることとなりました。
しかし屋敷を交換した途端、ぴったりとこの足は出てこなくなったのでした。

燈無蕎麦

江戸の町では夜になると蕎麦の屋台が出ることが多かったのですが、その中に1軒だけいつのまにか屋台は出ているのにいつ行っても店主がおらず、たとえ朝まで待っても決して営業しているところを見ることができない屋台があったのだそうです。その店先に出ている行燈は常に火が消えていて、もしこれに火をつけてしまうと家に帰ってから不幸に見舞われてしまうのだとか。

片葉の葦

お駒という美しい娘がおり、彼女は近所に住んでいる留蔵という男に何度も求婚されていました。しかしお駒はそれを軽くあしらっており、それに激怒した留蔵は、隅田川にかかっている駒止橋という橋の近くでお駒を襲うと、片手片足を切り落とし殺してしまい、その死体を堀に投げ込んでしまうのです。
その事件が起きて以降、駒止橋付近に生えている葦には、何故か片方の葉だけしかつかなくなってしまったのでした。

狸囃子

囃子の音がどこかともなく聞こえてくるのでその音を追っていくと、その音は遠ざかっててしまうため、どこから聞こえているのかが絶対に分かりません、また追っているうちに夜が明けてしまい全く知らない場所についてしまうということも多かったのだそうです。
これはその名前の通りタヌキの仕業ともいわれていたため、音の近くでタヌキの捜索を行ったことなどもあったそうですが、タヌキの姿もやはり見つけることはできなかったのだそうです。

最後に

今回は東京墨田区の本所七不思議をご紹介してみましたがどうでしたでしょうか。
「オチがないものが多すぎる」「狸のせいにしすぎだ」などのご意見もありそうですが、そういった曖昧さや適当さも含めて七不思議と言われる所以なのかもしれませんね。
七不思議にはその最古とも言われる「諏訪大社七不思議」や「伊豆七不思議」などまだまだ面白い物がたくさんありますので、別の機会にまた紹介させて頂きます。
よかったら楽しみにしておいてください!

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