少し前の話になりますが、ヒカキンさんが登録者1000万人を達成しましたね。
その後ヒカキンさんは新たな試みとして、
今後登録者が1人増えるごとに10円の寄付をする
という発表をして、これまた世間を沸かせました。
素晴らしいチャリティ精神で称賛すべきことですが、一部の人々は
・イメージアップ戦略に寄付を利用している
・たかが10円なんて少なすぎる
こんな批判をしています。

なぜ自ら寄付を発表し、世の中のために行動しているヒカキンさんがこんな批判を受けてしまうのか。
そこには日本独自の正義の価値観とチャリティ活動が根付かない闇の深い理由があったのです。
今回はそんな日本の正義感をアメリカと比較してお話致します。
日本の正義感〜勧善懲悪〜

日本独自の正義感とは何か。
その答えは人格形成に大きな影響を与える、子供向けアニメや番組に隠されています。
日本の子どもたちに大人気のヒーローといえば
アンパンマンや、仮面ライダー、ウルトラマンなどが挙げられますね。
これらはいずれも大まかに言えば、
正義のヒーローが悪を倒し平和を守る
というお話です。
ハードな内容ながら子供からも絶大な指示を獲得した鬼滅の刃もまた、鬼という絶対悪を打ち倒す鬼殺隊のお話でしたね。

ここから考えてわかる通り、日本人にとっての正義とは
悪を打ち倒す存在であり、
日本人にとっての正義は悪なしでは語れないのです。
これが日本人が持つ独特の正義なのです。
欧米の正義感〜力には責任が伴う〜

さて、対してアメリカ人にとっての正義とは何なのか。
アメリカにはまさに正義の象徴たるヒーローが大活躍する、アメリカンコミックがありますよね。
そのアメコミから見る正義とは
力を持つものが持たざるものに果たすべき責任
だと捉えられています。
少し分かりづらいので、2つほど例を出してみましょう。
まずはアメコミで圧倒的知名度を誇るスパイダーマン。

この作品を象徴する言葉として
「大いなる力には大いなる責任が伴う」
というものがあります。
まさにこれがアメリカ人的正義感。
力を持つのならその責任を果たさねばならいない、と正義が義務であるように語られており、この言葉通り主人公のピーター・パーカー(スパイダーマン)は悪と戦うだけでなく、彼の住むニューヨークで生じる些細なトラブルや事故、市民たちの困りごとを解決していくのです。
欧米の正義感②〜人の本性は行動で決まる〜

アメリカの正義感の2つ目の例としてあげるのは、同じくアメコミから、ダークヒーローのバットマン
バットマンはスパイダーマンのような超能力を持っているわけではありませんが、バットマンの正体であるブルース・ウェインが大企業の社長であること、超大金持ちであることから、
自身の資産や会社が持つ超技術をフル活用してバットマンとして、街にはびこる悪人と戦っています。
悪と戦うという部分だけ捉えれば、バットマンと日本のヒーローに大きな差はないですが、バットマンには日本のヒーローには見られない特徴があります。

それは、正体であるブルース・ウェインが多額の寄付やチャリティを行い世の中に貢献していること。
バットマンの映画、ダークナイトには
「人の本性は行動できまる」
というセリフがあるのですが、まさにこれを表すようにブルース・ウェインは自分自身でもバットマンでも世の中のために全力で行動しています。
そしてこれを行う理由はまさに、
自分に力があるから
彼は財力や能力があるから街のために全力を注いでいるのです。
力があるなら、世の中のためになることをせよ。
これがアメリカ人が考える正義だというのが少しお分かりいただけたかと思います。
なぜ日本人は寄付をしないのか

以上を踏まえて今回の一件をまとめてみましょう。
なぜヒカキンさんの寄付を批判する人がいるのか、それは
日本人に寄付という正義が理解できないから
これに他なりません。
寄付という正義は悪を必要としない行為(強いて言うなら貧困が悪ですが、抽象的すぎて認識されません)であるため、勧善懲悪こそ正義と考える日本人にはそれをなぜ行うのかが分からないのです。

そして理解が出来ないから、
イメージアップ戦略だ、などとしてヒカキンさんを悪人に仕立てることで、分かりやすい勧善懲悪の形に組み替えてしまうのです。
日本人は勧善懲悪を重視しすぎた結果、悪なしでは正義を認識出来なくなり、チャリティなどの純粋な正しい活動を受け入れることが出来なくなったというわけです。
正義をなす為に悪が必須というのはなんとも本末転倒な話ですね。
最後に

さて今回は日本人が寄付を嫌う理由をお話しましたがどうでしたか?
勧善懲悪の教育を推し進めたが故に、悪がいなくては存在できなくなった日本の正義。
こう考えると日本人の正義感ひどく歪んでいるように見えますね。
いつか日本人の正義感が見直され、純粋に正しい行いを正義だと評価できるようになれば、
日本も少しは生きやすくなるかもしれませんね。
コメント