前回はマインドコントロールについてご紹介しましたね。
我々は日常的に様々なことを判断しているように見えて、そこには誰かの誘導や思惑が入り込んでいる、そんなお話でした。
今回はその意思についてもう少し深彫して、意思というものが何なのかについて見ていきましょう。
我々の意思というのはそもそも存在するのか否か。
気になる方はぜひ最後まで読んでみてください。
我々の意思とは

決断までに様々な要因はありつつも、我々の思考や行動の最終決定を行っているのは我々自身の思い、つまり意思に他なりません。
これは自明のことだと思います。
しかしよく考えてみると意思というのは非常に曖昧な存在にも思えます。
形が見えるものでもなければ、どんなプロセスでどこから生じているものかも分からない。
我々は普段から行動、思考の全てを意思に委ねていますが、実は依存するにはあまりにも不確定な要素が多い存在なのです。

そもそも人体において、意思を形成し、我々に発信する器官はどこになるのでしょうか?
やはり五感を司る脳なのでしょうか?
それとも動物を動物たらしめている心でしょうか?
はたまたシックス・センス、第六感というやつなのでしょうか?
意思がどこから生じているのか、これが分かれば意思の解明に一歩近づきそうですね。
意思に関する研究

実はこれについてはかなり研究が進んでおり、意思は脳による信号として生じていることが分かっています。
これら研究によれば私達がアクションを起こす約0.2秒前にこのアクションを決定付けるシグナルが発信されます。
これこそ我々が意思と呼んでいるものの正体であり、この信号を受けることで我々はあらゆる行動を取ることができるのだと言います。
脳が意思を発信している。
そんなことは少し考えれば分かる!
と突っ込みが来そうですが実際はもう少し怖い事実が明らかになったのでした。
準備電位による意思決定

意思決定の研究の権威であるベンジャミン・リベット博士は脳のシグナルが意思の正体であることの他に、もう一つ驚くべき事実を発見しました。
それは意思決定のシグナルが流れる0.35秒前に、もう一つ電気信号が流れているという事実です。
2つ目のシグナル、この信号は一体何のために流れているのでしょうか?
こちらは準備電位と呼ばれており、我々の意思決定を促す無意識に働きかけるためのシグナルであり、我々の意思の根本となっているものだと明らかになっています。

これだけだと少し難しいですが、簡単に言えばこのシグナルは我々の無意識を決定付けるシグナルと、表すこともできます。
つまりこのシグナルによって、実は人間は無意識さえも事前の信号によって決められており、
意思が介在する余地などどこにもない
という説が浮上したのです。
無意識すらも信号によって決められる、これは思った以上に恐ろしいお話ですね。
次回は

無意識が信号によって決まり、その無意識が意識を決める
もしこれなら我々の意思など全くの幻想だということになりますね。
人によってはひどく落胆してしまいそうな説ですが、ご安心ください。
このお話にはまだ続きがあるのです。
実はこの信号の存在を否定するためにとある実験が行われているのです。
果たしどんな実験で、その結果どんなことが分かったのか、次の記事でご紹介致します。
興味がある方はぜひ次も読んでみてくださいね!
コメント