昨日「最後のG7」と題された中国の風刺画をご紹介致しました。
風刺画というものは問題や指摘したい事柄に直接意見をするのではなく、それを連想させるような絵をかいて発表するという手法を用いる表現方法です。

若干遠回りではありますが、見た本人に連想させるという特性上、直接言葉で伝えるよりも納得感を与えるという特性があるため、社会情勢への批判では度々用いられていますね。
今回は現代社会を痛烈に批判した風刺画を6作品ほどご紹介したいと思います。
世界の在り方や幸せの定義などについて疑問を持っている方はぜひ読んでみてください!
人生をお金に換える人

「生きるためにお金がいる」
「資本力で人間の力が決まる」
資本主義社会はおよそこういった価値観が共通認識として存在し、人々はお金を得るために睡眠や休息の時間を削って毎日働き続けます。
そればかりか生まれた瞬間から良い学校に入るために毎日勉強を強いられますし、学校に入った後は良い会社に入るために様々な資格やスキル習得のためにやはり勉強を重ねます。
それらは幸せのためとは言われていますが、この場合幸せとは多くのお金を得ることであり、
幸せ=お金
であることが容易に想像できますよね。
そんなお金にとらわれた人の在り方を風刺したのがこの一枚です。
与えられた幸せの定義

組み立てキットに入れられたスポーツ用具やお菓子、パソコンなどの趣味や娯楽物。
自分の考える必要などはなく、与えられたこれらがあなたの幸せです。
そういった人の幸せすらも形式的に決められている現代社会を風刺した1枚です。
人生を捧げて手に入れたお金で決められた幸せを享受する、なんだか虚しく感じてしまいますね。
人間自販機

様々な職業が書かれた人のフィギュアが自動販売機に入っています。
我々はお金を払えば容易にそれを手に入れることができます。
我々も本質的には商品と変わらないということであり、お金で支配されていることがここでも批判されていますね。
奥までぎっしり詰まった自販機を見る限り、もし自分が会社や社会で使い物にならなくなったとしても、我々の代わりなどいくらでもいることが見て取れます。
良い人材の作り方

出来るビジネスマンとは
問題解決能力があり、自己管理ができ、ITスキルを持っていて…
多様性が謳われる昨今ですが、資本主義社会において使える人材の定義は結局どこでも同じなのです。
それ故にどこの会社に行っても大体同じような社会人研修やスキルアップ研修などを受けることになるわけですね。
同じような人間ばかりが集まった集団がさらに進化していけるのかどうかは、いささか疑問ではありますが…
色んな顔を使いこなそう

生きていると様々なリアクションを求められることがありますよね。
一緒に楽しんだり、笑ったり、時に怒ったり…
感情の共有はとても大切なコミュニケーションです。
しかし、生きる上で必要とされるこうした感情は大概自分の本心とは異なります。
興味もない同僚の愚痴を聞いて一緒に怒ったり、上司や得意先のつまらない話に大笑いしたり
社会で取るべきリアクションは相手がこうして欲しいと思っているものでなくてはならないので、
本心を隠して仮面を被り、相手の求める自分を演じるわけです。
ネットに書いてあるから正しい

ネットで評判のレストランで、評判の良いコースを頼み、評価の高いワインを頼む。
これなら美味しいに決まっていますね!
…ですが、その人の意思はどこにあるのでしょうか?
そもそも美味しいという感情は非常に主観的なもののはず。
それにも関わらずそうした自分の感情に左右する部分までネット、つまり大衆の意見がないと分からなくなってしまっているのです。
レストランで食事を楽しむ
自由に振る舞っているように見えますが、すっかり社会の奴隷に成り下がってしまっているわけですね。
最後に

さて今回は現代社会を風刺した絵をご紹介してみましたが、どうでしたでしょうか?
お金によって基本的に何でも手に入る世の中ですが、逆に言えばこの世はお金がすべてであり、お金を得るために「人生、思想、感情」など、様々なものを犠牲にしているのが今の生き方です。
我々にとって大切なものや、価値があるものというのは本当に自分自身で考えて決めたものなのか。
本当はそれすらお金を消費させるために洗脳によってそう思い込まされているだけではないのか。
絵一枚でも色々と考えさせられてしまいますね。
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