前回の記事で物欲センサーについてお話しましたね。
科学的根拠は全く無くとも自らの経験から信用している人が多い物欲センサー。
これのように世の中には根拠がなくても信じられている事象は数多くあります。
今回はそんな科学的根拠がないにも関わらず信じられている法則や事象についてお話致します。
血液型性格分類

日本人の多くが信じているのが
血液型によって性格が決まるという説です。
O型なら大雑把、B型なら自由気まま、A型は几帳面で、AB型は天才肌というように、
各血液型の人の多くはこういった性格に分類されるというやつですね。
実はこれに全く根拠はありません。
いや、でも実際に当たっている人が多いじゃないか!
という反論もあるかと思いますが、
それはバーナム効果といって、
誰にでも該当するような普遍的なものでも、自分に限定して言われると自分独自の特徴のように感じてしまうという効果によるもの。
よく占い師が使うトリックですね。

実際過去に多くの統計学者や心理学者がこの説を否定するために無作為に集めた被験者の性格診断を行い、血液型と性格の因果関係を調査しましたが、
なんの因果もないことが明らかになっています。
さらにチンパンジーなど一部の哺乳類には血液型が1種類しかないにも関わらずそれぞれに性格を持っていることも分かっており、
やはりこの血液型による性格分類は全く根拠がないと考えた方が自然なのです。
人に与えたものは自分に戻ってくる

人に与えた善行も悪行もいつか必ず自分に戻ってくる
だから少しでも他人の役に立つことをしなくてはならない。
こういった教えを説く自己啓発本や、宗教はとても多いですよね。
本当に人にしたことが自分に帰ってくるならば、確かに人の為になることをしたほうがよほどお互いのためになるでしょう。まさに
情けは人の為ならず
という言葉通りですね。
しかし残念ながらこれには科学的根拠は一切ありません。
人の恩義に報いなくてはならないという規則でもない限り、大抵の人は受けた恩をいずれ忘れてしまうため当然といえば当然ですね。

人のために行動することはとても良いことですが、そればかりだと悪人に利用されたり損をする一方になるのが資本主義という社会です。
人のためにも動きつつ、自分の利もしっかりと確保できるように立ち回るのが本当に賢いやり方だと言えますね。
ゆでガエル理論

カエルは最初から熱湯に入れられると驚いて逃げ出しますが、常温の水から徐々に熱していくと熱くなったことに気が付かずにいずれ死んでしまう。
この考えをゆでガエル理論と言います。
人間も同じで最初は普通で徐々に苦しい状況に持っていかれると、自分の状況が悪化したことに気が付かずに、大変な目にあってしまうという教えでよく使われる理論です。
ブラック企業になぞらえてよく例に上がる考え方ですね。

一見その通りに聞こえてなんとも恐ろしく感じるこの理論ですが、残念ながら根拠はありません。
というかこの例えは秀逸ですが全くの嘘だと言っていいでしょう。
常温の水のお風呂に入っていると思い浮かべてください。
そこから少しずつ熱湯を足していったら、いつか熱さに耐えかねて逃げ出しますよね。
動物には生存本能がありますから、自分の身に起こった危険な変化には敏感に反応できるものなのです。
逆に言えば最初から熱湯をかけられる方がよほど危険だと言えますね。
引き寄せの法則

最後は有名な都市伝説、引き寄せの法則です。
欲しいと望み続ければ、それが自分の元に引き寄せられて来る、そんな素敵な法則がこれですね。
え、さすがにこれは実際にあるんでしょ?
そう思う方もいるかもしれませんが、残念ながら根拠はありません。
そもそも引き寄せの法則という言葉自体にからくりがあり、
この法則の正体は根拠のない自信でしかないのです。
例えば宝くじで5億円当てたい!
と願ったとします。
その人が引き寄せの法則を信じているなら次に何をするか。
宝くじを買いますよね?

なぜなら宝くじが当たると信じているから。
これで結果的にくじが当たったなら
引き寄せの法則は実在する!
となりますし、たとえ外れても
願い続けていればいつか当たる!
となるわけです。
賭け続けていれば、いつかギャンブルで勝てるのと同じ理屈ですね。
実は引き寄せの法則というのは、根拠のない自信で勝つまでギャンブルを続けるという、非常に非合理的な理論なのです。
最後に

さて今回は科学的根拠のない法則や理論についてお話しましたがどうでしたか?
根拠がないからこれらの説を信じるな!
というつもりは毛頭ありません。
しかし世の中には根拠のないことをさも常識のように語って、誰かを貶めるような人も数多くいるのです。
そういった人に騙されないためにも、自分の知った情報に根拠や証拠があるかどうかを調べる癖をつけるのも大切ですよ。
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