皆さん、集団ヒステリー
という言葉をご存知でしょうか?
これはグループや一定の集団の中で、そのうちの一人が身体的、あるいは心理的に異常をきたした際に、その異常がグループ全体に伝染する現象のことを指す言葉です。
この説明だと少し難しいですが、少し例を挙げるなら「もらい泣き」や「つられ笑い」といった類もその一つであり、誰かの影響で自分も同じことをしてしまう現象のことを「集団ヒストリー」と呼んでいます。

誰かの影響で泣いたり笑ったりするだけなら大きな問題もないですが、過去には集団ヒステリーによって異常な行動や心理的なパニックが伝染し大事件を起こしたケースも存在しています。

そのため集団ヒステリーは人間の非常に恐ろしい特性の一つであるとも考えられているのです。
では実際にどのように恐ろしいのか。
今回は集団ヒステリーが引き起こしたある衝撃的な事件をご紹介致します!
豊川信用金庫事件とは

豊川信用金庫事件、これは心理的な集団ヒステリーが引き起こした事件の一つです。
1973年に愛知県の豊川信用金庫にて2週間足らずの期間に14億円もの貯金が引き出されたことで、企業が倒産の危機を迎えたという事件がありました。

その際貯金を引き出していった人たちは口々に「豊川信用金庫が倒産すると聞いてきた」と話していたそうで、彼らは非常に慌てた様子だったとのことです。
しかし実際はそのような事実はないため、信用金庫側はすぐに経営に問題がない旨の発表をしました。
それでも事態は収まらず、貯金の持ち出しが急増したことで本当に豊川信用金庫は倒産の危機を迎えることになってしまったのです。
事態の鎮静化

騒動が一向に鎮静化しないことを受けて、信用金庫側はマスコミに協力を依頼しました。
各種新聞社が倒産騒ぎはデマであること、人々がデマに踊らされているだけだということを記事にしたため、少しずつ事態は落ち着きを取り戻していくこととなります。
しかしデマであるとしてもいったいなぜこのような噂が広まっていったのか、何が原因だったのかについては多くの疑問の声が上がり、原因究明のために警察が動き出すこととなりました。
事件の真相

警察が原因究明にあたったところ、噂の出どころは
噂の出どころはとある女子高生の雑談
であるという衝撃の事実が明らかになりました。
少女が豊川信用金庫を陥れるために、このような噂を拡散させたのでしょうか?
いいえ、実は彼女たちが話していたのは事件に関係がない全く悪意のない話だったのです。事件の発端は豊川信用金庫に内定をもらった女子高生が内定をもらった旨を友達にその話をしたところ
「銀行は強盗などもあるから危ないかもよ?」と心配されたことがきっかけでした。

「銀行強盗が入るから危ない」
これを本気にした女子高生はそれを親に相談したのですが、その際親戚が「銀行が危ない」という意味を経営面のことだと取り違えてしまったのです。
その結果慌てた親戚が知り合いにその噂を広め、それが伝播した結果町全体を巻き込む大きな倒産騒ぎを巻き起こしてしまったのでした。
ただの噂が銀行1つを潰す寸前まで追い込んだ、まさに恐ろしい集団日ステリー事件の一つと言えますね。
最後に

さて今回は豊川信用金庫事件についてお話してみましたがどうでしたでしょうか?
女子高生のおしゃべりが集団ヒステリーを引き起こし、1つの銀行を倒産寸前まで追い込んだ。
にわかには信じられませんが、本当にあったお話です。
集団ヒステリーというのは一度始まるとこれほど強力に作用してしまうものなのですね。
さらに恐ろしいことに、集団ヒストリーはそれほど珍しいものでもなく、実は世界各地で様々な形で起きているのです。
そこで次回は世界で起きた集団ヒステリーが引き起こした事件をご紹介致します!
ぜひお楽しみに!
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