性別はどう決まるのか?〜デイヴィッド・ライマーの悲運な人生〜

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トランスジェンダー

性転換は今では少しずつ受け入れられるようになり、スポーツなどでもトランスジェンダーの方が活躍する機会が増えてきましたね。

しかしほんの少し前まで、トランスジェンダーはマイノリティ故に虐げられ、人権を無視されるような目に遭う機会もありました。

今回お話するのはそんなトランスジェンダーの中でも

一際悲運な運命を背負った男性デイヴィッド・ライマーについてのお話です。

彼は史上類を見ない2度の性転換手術を受けた男性。

一体なぜデイヴィッドは2度の性転換手術を受ける必要があったのか、彼の人生を見ていきましょう。

ブルース・ライマーとしての生

 1965年8月22日、カナダのマニトバ州にてデイヴィッドら生まれました。

生まれた時、彼は男性でありブルースという名前で育てられていました。

しかし生後8ヵ月が経ったとき、彼にとある不幸が襲いかかります。

それは包茎を改善させるための手術でした。

本来の包茎手術は普通のメスで行われるものでしたが、彼の手術は電気焼灼器を使って行われたのです。

その結果、彼は陰茎の大部分を消失してしまいました。

この手術結果を嘆いた彼の両親は、別の病院にブルースの今後の人生を相談しに行きました。

そこで医師であるジョン・マネーと知り合い、彼の勧めでとある決断をします。

それはブルースに女性としての人生を歩ませようというものでした。

ブレンダとしての人生

両親の決断により、1歳10ヶ月の時にブルースは性転換手術とマネー医師のカウンセリングによって、ブレンダという女性に生まれ変わりました。

マネー医師はそのことを学会で発表するとこの性転換手術は大成功と評価され、

性別は認知によって変えられることの成功例として見なされるようになりました。

ブレンダは女性として幸せな人生を歩むはず。

マネー医師の発表を聞いた人々は誰もがそう思っていましたが、実態はこれとは似て非なるものでした。

マネー医師は熱心なカウンセリングをブレンダに施しましたが、結果は虚しくブレンダは一度たりとも助成らしく振る舞うことはなかったのです。

つまりマネー医師は自らの名誉のために学会で嘘の報告をしていたのでした。

ブレンダの境遇

ブレンダは家族にも女性として育てられ、スカートや女性らしい服を数多く与えられました。

しかし彼女はこれらを好まず、男性らしいファッションを望むようになりました。

趣味も人形遊びなどではなく、車や飛行機などの玩具で遊んでいたため、次第に周囲から浮き始め、

学校では変わった奴だといじめを受けるようになりました。

マネー医師はそれでもブレンダを女性として育てることを諦めず、ブレンダをより女性らしい見た目にするためにさらなる手術を提案しましたが、これにはブレンダ自身が猛反発しました。

この反発を受けて、ブレンダの両親は手術を拒否することを承諾、マネー医師のカウンセリングを受けることもやめました。

そしてブレンダが14歳になったタイミングで、彼の父はブレンダが実は男性であること、女性として育てた経緯を話したのでした。

デイヴィッドとしての人生

自分の生い立ちを聞いたブレンダはすぐに男性に戻ることを決意しました。

その後彼は名前をデイヴィッドに改名し、ジェーン・アン・フォンテーンという女性と結婚しました。

そして彼はジェーンの子供の父親となり、

普通の男性としての人生を再スタートしたのでした。

二度の性転換手術という前代未聞の経験を経て、ようやくデイヴィッドは幸せを掴むことができたのです。

デイヴィッドの最期

しかし残念ながらこの幸せは長くは続きませんでした。

両親との関係の慢性的悪化

兄弟が抗うつ剤の過剰摂取により死亡

デイヴィッド自身の失業など、

立て続けにデイヴィッドは不運に見舞われたのです。

それに加えてジェーンとの結婚生活も破綻してしまい、ジェーンから距離を置く提案をされたデイヴィッドはそのまま家を飛び出ししまうのです。

ジェーンは彼を探しましたが見つからず、数日後に彼は警察によって遺体で発見されることになります。

死因は自らの頭を銃で撃ち抜いたことによる自殺でした。

こうしてあまりにも唐突に彼は38歳の若さでその人生に幕を閉じたのでした。

社会に翻弄された男

今回はデイヴィッド・ライマーについてお話しましたがどうでしたか?

医師や家族、世間の目など社会のあらゆる理不尽に翻弄された男、デイヴィッド・ライマー。

もし彼がありのままの性別を受け入れられる人生を歩めていたならば、このような悲劇は起きなかったことでしょう。

性別は決して他人に決められるものではない。

自分がありたいと思う性別でいられる社会こそ、本当に望まれているものなのでしょう。

自らの偏見や性への決めつけが他者を傷つける可能性がある、これは忘れないようにしたいですね。

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