クローン
人工的に生み出された地球上に存在する特定の生命と全く同じ見た目や機能を持った人工生命体を指す言葉です。
クローン技術が進歩すれば、あらゆる怪我や病気を治す手段が生まれ、医学のさらなる発展が保証されています。
しかしながら命を作り出すべきではない
という倫理的な問題を中心に、クローンの生成、特に人形クローンの開発に関しては世界的に禁止されています。

と言うのは表向きの話。
実はクローンの生成は倫理的問題以上に多くの危険を孕んでいるために、研究が見送られているのです。
今回はそんなクローン人間を作ると起こりうる4つの危険についてお話致します。
人権の崩壊

まず1つ目の問題は、クローンによってが人権が崩壊する可能性があるということです。
非常に難しい部分ではありますが、
クローンを医学目的や研究目的で利用するならば、彼らに人権を与えることはできません。しかし
クローンに人権はない
と定義してしまうと昨今の差別を無くそうとする世界の動きとは大きく矛盾してしまい、クローンなら差別しても良いのだと、差別主義を助長する事になってしまいます。
牛や豚の命も等しく守るべきだという考えでヴィーガンが増えいる状況を鑑みても、この考えが許容される可能性は低いでしょう。

しかしそれらの目的にクローンを使わず、人間と全く同じ権利だけを与えるのだとしたら、
それは人口増加に拍車をかけるだけであり、なんの発展にも繋がらなくなってしまうのです。
食料危機

2つ目が食料の問題です。
クローン人間は根本的に普通の人間と同じ構造のわけですから、当然食事から栄養を摂る必要があります。
しかし世界は今、深刻な食料危機に瀕しており、
2055年には人口が100億人を超えるとも言われている中で、クローン人間にまで回せるほどの食料リソースはありません。
一応医学の発展のために必要不可欠であるという理由で、優先的にクローンに食事を与えることも可能ですが、
飢餓に苦しむ途上国からの批判は避けられないことでしょう。

一応クローン側の遺伝子組み換えによって、水だけで栄養が摂れる人間も作る事はできるかもしれません。
しかしそれでは普通の人間とは言い難く、医学目的での利用が難しくなるため、この案も現実的ではありません。
旧人類不要論

クローン人間が生まれることで将来的に起こりうるのが
元々の人間が不要になるのではないか、という問題です。
クローン人間を作れるという事は、その時点で人間の体の構造のほとんどが明らかになっているということであり、
遺伝子操作などが容易に行える状況であるということです。
そのため見た目は自分と同じでも、頭脳や運動神経などが優れている、
自分の完全上位互換

を作り上げることも出来てしまいます。
より優秀な人間が社会に貢献した方が世の中の生産性は当然上がるので、仕事や家事などはそのクローンがやった方がいいでしょう。
なんなら優秀な遺伝子を残せるので、子供もそのクローンが子供を残した方がいいですよね。
と、まぁこのように突き詰めていくと、全てクローンに任せた方が効率的であり、いつの間にか自分達の居場所がなくなってしまう可能性があるわけです。
反乱の懸念

最後はクローン最大の問題。
クローン側が人間に対して反旗を翻す可能性があるのではないか、
という懸念です。
クローンは望んで生まれてきたわけではありません。
にも関わらず人間側の都合によって、様々な用途で利用されることに対して、クローンがそれを容認できる道理がどこにあるでしょうか?
あちら側の立場なら、その況から逃れたいと思うのが普通のことでしょう。
一方的に創られ、生殺与奪の権利を握られるなど、理不尽にもほどがありますからね。
当然彼らは必要なら我々人類と敵対することも厭わないはずです。

そうなれば人類対クローンの戦争が起きる可能性はゼロではありませんし、
遺伝子操作によって優れた知能や能力を持つクローン相手に、人類が優勢を保てる保証もないでしょう。
最悪の場合、クローンによって人類が滅ぼされることもありうるわけです。
最後に

さて今回はクローン人間を作ってはいけない理由をお話しましたがどうでしたか?
・人権崩壊
・食料危機
・旧人類不要論
・反乱の可能性
など色々な理由を上げましたが、まとめるならクローンは不確定要素が多く、
あまりにも危険なのです。
人工的に生命を生み出すというのは、倫理や宗教上の観点を抜きにしても、人類が手を出すべき分野ではないのでしょう。
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