人が悪魔になるまで〜ナチスを生み出した狂気・ミルグラム実験とは〜

都市伝説

スタンフォード監獄実験

MKウルトラ

ローゼンハン実験

今までいくつかの危険な実験をご紹介してきましたが、その中の1つ

スタンフォード監獄実験にはその前身となる実験が存在するのを皆さんご存知でしょうか?

それが今回ご紹介するミルグラム実験

いかにして人が権力の狗に成り下がるのかを、鮮明に暴き出した恐るべき実験です。

ではミルグラム実験がどのようにして始まり、どんな結果を招いたのか。

早速見ていきましょう。

ミルグラム実験の始まり

ミルグラム実験は1961年にとある人間の逮捕をきっかけとして始まりました。

それは第二次世界大戦においてナチスドイツに所属しユダヤ人の強制収容に携わった戦犯、アイヒマンという人物でした。

逮捕前、関係者はアイヒマンのことを

何人ものユダヤ人を虐殺した極悪人であり、精神が破綻した非情な人間。

そのように推測していました。

しかし実情はそれとはかけ離れたものでした。

まず彼の逮捕の決定打となったのは、アイヒマンが結婚記念日に妻のために花屋で花束を購入したことであり、

逮捕後の取調でも彼は異常者とはかけ離れた、勤勉で穏やかなごく普通の人間であることがわかったのです。

妻を愛し、勤勉に職務を全うする人間がなぜユダヤ人虐殺のような極悪非道な行いをしたのか。

この事件に携わった関係者の間では、その事に対する疑問が募り、この謎を解き明かすための実験が行われることとなりました。

それがミルグラム実験です。

ミルグラム実験の全貌

アイヒマンの逮捕をきっかけに、ナチスドイツの兵士達に向けられた、

彼らがなぜあのような凶行をするに至ったのか、という疑問。

その答えとして考えられたのは、

与えられた役割が彼らに非情な行いをさせたのではないか、

という仮説でした。

それを確かめるべく行われたミルグラム実験は、

ごく普通の一般人に特殊な役割と立場を与えて、過酷な行動を強いたときに彼らが取る行動を検証しようというものでした。

具体的な実験内容は下記のとおりです。

①実験のために集めた被験者を生徒と教師という立場に分ける(ただし生徒はこの実験のために用意されたサクラであり、本当の被験者は教師役のみ)

②生徒と教師をそれぞれ別の部屋に入れ、教師には生徒へ体罰用の電子ショックを与えるボタンを渡す

③教師から生徒へいくつかの問題を出題させ、問題を間違えた場合教師に電気ショックボタンを押させる。

④電気ショックの電圧は生徒が問題を間違えるごとに上がっていき、最大電圧は命に関わるほど危険である旨を説明される。

引用:Wikipedia₍ミルグラム実験₎

⑤部屋が別れているため、教師は生徒の様子を把握できないが、電気ショックを流すたびに生徒の苦痛に満ちた叫びを鮮明に聞くことになる。

※しかし実際には電流は生徒に流されることはなく、あらかじめ録音された絶叫の音声を教師に聞かせている。

⑥教師が実験の中止を求めても周りの調査員は実験続行を教師に依頼する。

⑦最終的に生徒を殺めかねない状況下となった時、教師役がどのような行動を取るのかを調査する。

これがミルグラム実験の詳細です。

実験の結果

流れる最大電圧が非常に危険だと分かっている中で、実際に最後まで電流を流し続けた被験者はどの程度いるのか。

実験前の想定ではさすがに危険と判断した時点でやめる被験者がほとんどであり、

最後まで電流を流すのはおよそ1.2%程度の被験者だろうと考えられていました。

しかし結果は40名の被験者の内26名、

およそ65%の被験者が最後まで電流を流し続けたのです。

そして途中で中断した14人も、絶叫しながら実験中止を懇願する生徒の悲痛な声を聴くまで実験を止めようとはしませんでした。

集められた被験者達は報酬をもらって実験に参加しただけであり、彼らには実験続行を強制されるような制約は何もありません。

にもかかわらず、このような状況に置かれただけで、60%以上もの被験者が人の命を奪いかねない、危険な行動をとってしまったのです。

この実験によってかつてナチスの兵士たちがそうだったように、

立場や権力によって人は簡単に狂ってしまうということが証明されたのです。

立場や権力が人を狂わせる、まさにスタンフォード監獄実験と同じ結末ですね。

最後に

さて今回はミルグラム実験についてお話しましたがどうでしたか?

立場や権力が人を変える

恐ろしいことですがこれはよくある話なのです。

優しかった先輩が出世した途端横柄になる

リーダーや代表と言った特別な肩書を持った人が無意味に偉そうに振舞う

こんな人を見た経験、皆さんにはありませんか?

安い肩書であっても、それは簡単に人を狂わせてしまう物なのです。

変わらない自分でありたい、そう思った方はぜひ今回のお話を胸に留めておいてくださいね。

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