10月31日午後8時頃、東京の京王線車内にて映画「バットマン」に登場するヴィラン、ジョーカーに扮した男が、乗客を切りつけ、さらに社内に液体をまいて火をつけるという衝撃的な事件が発生致しました。
・犯人は一体なぜこのような狂気に及んだのか
・犯人が扮していたジョーカーにはどんな意味があるのか
今回の事件について見ていきましょう。
事件の詳細
31日、ハロウィンの夜、東京 調布市を走っていてた京王線の車内にて男が突然刃物で乗客に切りつけるという狂気の事件が発生致しました。
男はさらに社内にオイルをまいて火をつけるという行動を取り、
これによって17人が怪我を負い、1人は意識不明の重体となっています。
逮捕された24歳男性の容疑者は警察の調べに対して
「人を殺して死刑になりたかった」
「2人殺せば死刑になると思った」
などと供述しているとのことです。
どうやら犯人は自らが死刑になるために、今回の事件を起こしたようですね。
そして
・扮装をしても違和感を持たれないハロウィン当日を狙ったこと
・ナイフやオイルといった事前の準備を行っていること
こういったところに用意周到さが垣間見えますね。事実犯人は5ヶ月前から事件の準備をしていたようです。
なぜジョーカーなのか

ハロウィン当日を狙ったのは恐らく、
ジョーカーに扮していても違和感を持たれないということが理由だと思われます。
決行日をわざわざハロウィンに合わせるほどに、彼にとってジョーカーに扮することは重要な意味を持っていたのでしょう。
では具体的にどんな意味があったのでしょうか?
ジョーカーと言えばアメリカン・コミック「バットマン」に登場するヴィランの1人であり、「悪のカリスマ」とまで称される犯罪のスペシャリストです。
同時に悪役でありながら、圧倒的なカリスマ性を秘めており、2019年にはジョーカー単独の映画が制作されるほどの人気を持っているキャラクターでもあります。
「悪のカリスマ」
この一面に惹かれたために、犯人はジョーカーに扮して犯行を行ったのでしょうか?
恐らく犯人の意図はもう少し別のところにありそうです。
ジョーカーの扮装が持つ真意

では犯人の意図は一体何なのか。
これは前述した2019年公開の映画「ジョーカー」を読み解けば見えてくるものがあります。
実は映画「ジョーカー」という作品、アカデミー賞を受賞するほどの評価されながらも、
犯罪を助長する映画である
として、多くの批判を受けた作品でもあるのです。
この映画の内容は悪のカリスマとして後にバットマンの世界を震撼させるジョーカーが、なぜジョーカーとなるに至ったのかを描くエピソードとなっています。
作中のジョーカーは一貫して社会の弱者であり、理不尽に虐げられる人生を歩んだ結果、ふとした拍子にジョーカーという狂気に目覚めてしまうのです。
狂気は社会によって作られる

狂人を狂人にしているのは社会が問題であり、彼らの狂気は世間に虐げられたことで起こるものである。
映画ジョーカーにはこういった主張が見え隠れしているため、犯罪を助長しているとひて多くの批判を受けることになったのです。
今回の事件の犯人がジョーカーに扮したのは、こういった社会に対する積年の恨みがあったのではないでしょうか。
事実犯人は仕事もプライベートもうまくいかない現状に失望していたようで、
その理由を自分ではなく社会のせいだと考えていたことが、警察の取り調べから分かって来ました。
自分の不幸な境遇が劇中のジョーカーと重なったことで、
今回の強行に及ぶきっかけとなったのかもしれません。
どんな理由があっても、それが罪を犯していい理由にはなり得ませんが、犯人にはそれさえも分からなくなっていたのでしょう。
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