「風習」
その土地に根付いているしきたりなどを指す言葉で、日本には初詣や七五三、七夕など様々な風習がありますよね。
今残っている風習のほとんどは「この日にはこの服を着なくてはいけない」、「これを食べなくてはいけない」、など簡単なものばかりですが、過去には耳を疑うような恐ろしいことを風習としていた地域があることをご存じでしょうか?
今回はそんな日本にあった恐ろしい風習を5つほどご紹介していきたいと思います。
おじろく・おばさ

おじろく・おばさは長野県のとある村に実在した風習です。
内容としては長男より後から生まれた子供は男性は「おじろく」・女性は「おばさ」として死ぬまで無報酬で働き続けなくてはならないという風習です。
完全に奴隷制度といえるこの人権を無視した風習、いったいなぜこんなものが生まれたのでしょうか。
当時この村では耕作が満足に行えず、村として非常に貧しい状態であったために生まれてきた子供を養う余裕がなかったようです。そんな中で考え出されたのが、このおじろく・おばさという制度。
村が生きながらえるための苦肉の策として、人権を無視した風習を作るしかなかったというわけですね。
しかし生まれて順番が違うだけで人生が大きく変わってしまうというのは、あまりに理不尽な話ですね。
丑の刻参り

丑の刻参りとは、丑の刻、すなわち午前1時~午前3時ごろの時間帯に神社に行き、そこの御神木に呪い殺したい相手を思い浮かべながら藁人形を五寸釘で打ち込むことで、相手を呪殺することができるという、日本に古くから伝わる呪いです。
最近では呪術廻戦に登場するキャラクター「釘崎野薔薇」がこの呪いをモチーフとした技を使っていますね。
通説では7日目続けることでこの呪いは成功すると考えられていますが、逆にこの行為を他人に見られた場合呪い返しで自分が死んでしまう、効力が無くなってしまうなど相応のデメリットもあるようですね。
村八分

かなり多くの村で実際に行われていたとされる風習がこの村八分。
知っている人も多いと思います。
内容としては村で決まり事を破ったものや悪事を働いたものなどに行われる制裁の一種で、
具体的な制裁としては村ぐるみでの無視や、集団いじめなどが行われていたようです。
転じて現代でも集団から排斥される行為のことを村八分と呼ぶケースもありますね。
いじめの文化というのは非常に根深いものだと再認識させられる風習です。
骨噛み

読んで字のごとく、というのがこの風習「骨噛み」です。
この風習を行っている地域では葬式の際に縁をつなげ死者の魂を受け継ぐために、遺族や知人が遺骨を口に入れて噛むという行為を行います。
死者の骨を噛む、不思議で恐ろしく思う方も多いとは思いますが、これは九州地方を中心に日本各地で行われていたようです。
そしてこの行為では、どこの骨を噛むかということも重要であるとされていて、「喉仏」は親しい知人や友人が噛むと決まっているのだとか。
人形婚

最後に紹介するのは人形婚
津軽半島を中心に一部地域で行われていた風習で、未婚で亡くなってしまった若者を死後結婚させるという風習です。
やり方としてはその死者の代わりとなる人形を用意し、対象の結婚適齢期が来るまでその人形を人と同じように育てていきます。
そして結婚適齢期が来たタイミングで他の人形と結婚をさせるという、あるいみ儀式に近いような風習です。
人形婚を行う理由は未婚のままだと魂が成仏しない、あるいは未熟な魂であるため悪霊になってしまう可能性があるため、結婚させ一人前にすることで成熟した魂となって家族を守ってくれる存在になると考えられていたからであり、カルト的な要素もあるものの決して異常な風習というわけではありません。
しかし人形婚という字面、なんとも恐ろしくは感じますよね。
最後に

今回は日本で行われていた怖い風習を紹介してみましたがどうでしたでしょうか?
人権というものが今ほど重要視されていなかったからこそ行われていた風習も多く、現代では考えられないようなものも数多くありますよね。
しかしそれぞれに当時なりの意味があり、悪習と片付けるべきではないのがこの風習という文化です。
さて日本にもまだまだ奇妙な風習はありますが、海外にもまた変わった風習は数多く存在していますので、またの機会にご紹介いたします。
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