パフォーマンスと報酬に関する興味深い実験

ビジネス

今回はパフォーマンスの正体に関する考察記事です。

皆さんは仕事をする時や、新しい挑戦をする時、どんな事を思いながらやる気をだしていますか?

・これが出来たら面白そうだ!

・自分のスキルアップになる!

人によって様々だとは思いますが、こういったプラスの感情を持って取り組む人も多いと思います。

そのやる気が結果に繋がりますからね。

では企業の場合はどうでしょう?

社員の士気を上げ、高いパフォーマンスで仕事をして欲しいと考える時、

一般的な企業なら賞与や昇給等を考えますよね。

しかし実はこれらの報酬は士気向上には繋がらないことも多いのです。

一体なぜそう言えるのか、今回はパフォーマンスと報酬に関する興味深い実験結果から、この理由についてお話したいと思います!

パフォーマンスと報酬に関する実験

1962年に科学者のサム・グラックスバーグが報酬とパフォーマンスの関係を解き明かすためにとある実験を行いました。

その内容はロウソクの問題と呼ばれる認知能力テストを用いたもので、

その問題を素早く解けた人には賞金を出すと宣言した場合と、

賞金の話など何もせずにただ問題を解かせた場合の解答にかかる平均時間を計測するという実験でした。

ちなみにロウソクの問題ってなんだ!?

と気になった方向けに軽く解説すると、

これは箱に入った画鋲とロウソクを用意して、

「ロウソクの蝋が地面に落ちないように、ここにあるものを使ってロウソクを壁に取り付けよ」

という有名な認知能力テストです。

この問題の正解はいくつかありますが、一般的には画鋲の入っていた箱を壁に固定し、その上にロウソクを乗せるというのが一般的な正解となります。

少しトンチの効いたテストというわけですね。

実験の結果

賞金を出すと言われた場合と賞金の話ををされなかった場合、

それぞれ被験者はどのような結果をもたらしたのでしょうか。

一般企業が取り入れている成果報酬制度が正しいとするならば、当然報酬の話をした被験者の方が早く問題を解けるはずであり、良い結果をもたらすはずですね。

しかし実際の結果は真逆。

報酬の話をされた人達は平均して、報酬の話をされない人達よりも3分以上多くの時間をかけて、この問題を解くこととなりました。

なんと報酬の話をされない人達の方が、報酬ありの人達よりも高いパフォーマンスを発揮したのです。

なぜこの結果になったのか

グラックスバーグは、この結果を受けて以下のような考察をしています。

「強い外的要因が存在すると邪念が生じ、思考の邪魔をしてしまうのだ」と。

報酬という外的要因が加わることは、本来パフォーマンスを上げるはずが、

全く別の作用をもたらすことがあるということです。

そしてこれは何もこの実験や仕事だけに限った話ではありません。

よく賭け事になると途端に弱くなる人や、

スポーツ等で練習だと上手いのに、試合になると本来の実力を出せなくなる人などがいますが、

これも「勝利」という一種の報酬

が目の前にチラついた結果、本来の実力が出せなくなってる例だと言えそうです。

人の実力を発揮するには

報酬が目の前にあると雑念に囚われ、人は実力を発揮出来なくなる。

これが本当だとすれば、逆にどうしたら人の実力を発揮できるようになるのでしょうか?

その答えは簡単です、要はこれと逆のことをすればいいのですから。

つまり雑念に囚われるのならば、その雑念に振り回されない環境を整えればいいのです。

雑念に囚われない環境の一例として、

かのGoogle社では、社員の労働時間を社員自身に決めさせています。

これで報酬のために定時までしっかりと働かなくてはいけない、という縛りを

撤廃し、社員が雑念に囚われない環境作りに努めているのです。

結果としてGoogleはあらゆる会社の頂点に立つ超優良企業として君臨しており、この試みがいかに正しいことかを証明しています。

間管理をせずに、社員の裁量に任せる

これこそ本来会社が社員を最もうまく使う方法なのですが、

コントロールの難しさや評価のしにくさなど、企業にとっては不都合な点も多いので、あまり知られていない事実となっていますね。

最後に

さて今回はモチベーションと報酬の関係についてお話しましたがどうでしたか?

モチベーションを上げる方法として報酬を出すことは、必ずしも良いとは言えない事が今回の記事で少しお分かり頂けたかと思います。

本当必要なことは雑念を捨てて本来の自分の視点で物事を捉えること。 これが出来るようになれば、仕事の質がグッと上がり、仕事が楽しくなるかもしれまんよ。

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