バットマンはどこ?〜ジョーカーの模倣犯が現れる3つの理由〜

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昨日11月9日、東京の調布駅にて、刃物を持った男が通行人を追い回し逮捕されるという事件が発生致しました。

発生場所が近いこと、刃物という共通点があることから、

この犯人は先日発生した京王線内の傷害事件に触発されたのではないかと考えられています。

そして今後も京王線事件の模倣犯やジョーカーに影響を受けて発生する事件は増えていくのではないかという指摘が跡を絶たない状況です。

引用:【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|ダークナイト (warnerbros.co.jp)

なぜそんなことが危険視されているのか。

そこにはジョーカーというキャラクターが持つ異常な魅力が関係しています。

今回はジョーカーというキャラクターに視点を絞り、

なぜ彼の模倣犯が登場するのかという理由を考えていきたいと思います。

ジョーカーとは

ご存知の方も多いかと思いますが、ジョーカーというのはアメリカンコミック「バットマン」に登場する敵キャラクターの一人であり、バットマンの宿敵とも呼べる存在です。

ピエロを彷彿とさせる奇妙な外見をしていますが、彼自身は特別な力は一切持っていません。

直接戦闘になればバットマンに一方的に痛めつけられるような、ごく普通の成人男性なのです。

ではなぜジョーカーはバットマンの宿敵と呼ばれているのか、

それは彼が圧倒的異常性と優れた知性を持っているから。

彼はその知性を持ってバットマンを出し抜き、その異常性を持ってバットマンを限界まで追い詰めるのです。

そんな知性と異常性に惹かれる形で彼の下には多くの犯罪者達が集まり、

ジョーカーは悪のカリスマとして作中に君臨しているのです。

次々に生まれる模倣犯

さてジョーカーという存在をご説明したところで、悪のカリスマである彼が現実世界にまで及ぼしている影響をお話しましょう。

日本では今回の京王線での事件はかなり異常な事件として扱われていますが、ジョーカーの人気が高い欧米圏では過去に何度もジョーカーの模倣犯が登場しています。

一例を上げるならこのとおりです、

  • 2008年:スペンサー・テイラーのポスター事件
  • 2012年:ジェームズ・ホームズのオーロラ銃乱射事件
  • 2014年:ジェラッド・ミラーのラスベガス銃乱射事件
  • 2015年:クリストファー・クランシーの放火事件
  • 2016年:15歳少女の友人殺傷事件
  • 2016年:15歳少年の無差別殺傷事件

これだけ見ても、彼を人気キャラクターとして扱うべきかどうか考えてしまうほど、多くの事件を誘発していることが分かりますよね。

引用:【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|ダークナイト (warnerbros.co.jp)

ではなぜジョーカーにこれほどの犯罪を誘発する力があるのか、

実際に模倣犯を生み出している要塞について見ていきましょう。

本来の立ち位置

引用:映画『ジョーカー』ブルーレイ&DVDリリース (warnerbros.co.jp)

まず最初の要素として作中でのジョーカーのあり方が共感を呼んでいるという点が大きいでしょう。

ジョーカーは悪党ではありますが、悪党に堕ちるまでに非常に辛い経験をしています。

ジョーカーとなる前の彼は社会的に圧倒的弱者であり、常に虐げられる立場にいました。

彼は情動調節障害という持病を持っており、どんな時でも笑ってしまうことから、常に周囲からいじめの対象とされてきました。

引用:映画『ジョーカー』ブルーレイ&DVDリリース (warnerbros.co.jp)

そんな彼が苦しみ抜いた末にようやく手に入れたのがジョーカーという仮面であり、苦しみばかりのこの世界に叛逆する力なのです。

ジョーカーのこうした辛い設定が同じく社会的弱者として苦しむ現実の人々に深い共感を呼び、模倣犯を生むこととなっているのです。

持たざるものである

引用:【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|ダークナイト (warnerbros.co.jp)

次の要素はジョーカーが「持たざるもの」であるという点です。

ジョーカーはしばしば宿敵であり、主人公のバットマンと対比して描かれています。

では作中におけるバットマンがどのような人物かと言えば、ギャングに家族を殺されるという壮絶な過去を背負っているものの、

超優良企業の社長にして、世界有数の金持ちであり、恵まれた頭脳と強靭な肉体を持つ誰もが憧れるような存在です。

つまりバットマンは基本的に「何でも持っている存在」なのです。

対してジョーカーは頭脳こそ優秀であるものの、犯罪によって稼がなければ真っ当な職にも付けないほど恵まれず、肉弾戦ならバットマンに遠く及ばないという圧倒的に「持たざるもの」なのです。

そんなジョーカーが知略を尽くしてバットマンと戦う姿は現実世界の「持たざるもの」達から見れば、まさにヒーローのように見えることでしょう。

誰もが持つ異常性

引用:映画『ジョーカー』ブルーレイ&DVDリリース (warnerbros.co.jp)

最後の要素はジョーカーの狂気とは突き詰めれば誰もが持っている物であり、

ジョーカーという存在はそれを爆発させるためのきっかけに過ぎないということです。

ジョーカーは異常者であり、悪のカリスマとして描かれる事が多いため、一見すると彼の狂気は常人には理解不能な所にあるように思えます。

しかし前述の通り彼の狂気の根源は結局のところ、

虐げられた社会に対する不満なのです。

これはごく当たり前の感情であり、生きている以上全ての人間が持っている物だと言って良いでしょう。

引用:映画『ジョーカー』ブルーレイ&DVDリリース (warnerbros.co.jp)

もちろん社会の一員として生きるために、普段は誰もそれを見せるような真似はしません。

しかし全員が持っている物である以上、きっかけさえあればそれが膨れ上がり爆発する可能性は全員にあるわけです。

この感情が爆発寸前になっている人にとって、

社会に真っ向から反逆するジョーカーの言動や行動は強い共感を生むことでしょう。

その結果ジョーカーという免罪符を手に入れた人々が、世の中を震撼させる凶行に手を染めてしまうのです。

最後に

引用:映画『ジョーカー』ブルーレイ&DVDリリース (warnerbros.co.jp)

さて今回はジョーカーが模倣犯を生み出し続ける理由についてお話しましたがどうでしたか?

ジョーカーが模倣犯を生み出すのは彼に共感する人が多いためであり、社会に不満を持つ人が多いため。

人々が求めているのは社会の秩序の中に生き、秩序を守るために存在するバットマンではなく、

社会に一石を投じる悪のカリスマだということなのでしょう。

もしも不景気が続き社会がさらに悪化するような自体があれば、 日本でもジョーカーがさらに多くの犯罪を助長するようになるかもしれませんね。

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