ここ数回に渡ってお話している不老不死。
死は等しく避けられないもの
ということもあり歴史を振り返れば不老不死を目指した人は非常に多いのですが、残念ながら不老不死となった人の記録はほとんどありません。
しかしそんな中で「本物の不老不死」であったとされる謎多き人物、それが
サンジェルマン伯爵です。
不死の薬を持ち、長い時を生き続けたとされるサンジェルマン伯爵。
今回はそんな彼について見ていきましょう。
サンジェルマン伯爵とは

彼は1691年〜1784年頃にかけて目撃された人物です。
しかしこれはあくまで記録に残っている範囲での話であり、
実際に彼がいつ生まれ、いつ亡くなったのかもわかっておりません。
「93年間も記録があるのに詳細が分からないの?」
と疑問に思われるかもしれませんね。
1700年代の平均寿命は30歳未満だった当時を考えれば、この時点で伯爵は超高齢だったことが分かります。

しかし記録にあるサンジェルマン伯爵は
30代前半にしか見えず、何年たっても容姿が変わらない
という記述があり、歳を取るという概念がなかったとされています。
極めつけに彼は当時既に2000歳を超えていたと言う噂もあり、そのことを尋ねられた際には
「自分は王家にまだ300年しか使えていないので、それを教えることができません」
と意味深なことを話していたそうです。
これはただのジョークだったのか、それとも・・・
錬金術師としての一面

長い時を生きていたということもあり、彼は化学に精通していながら、音楽や絵画などの多彩な美術の才能も併せ持っていました。
さらには政治においても超一流であり、フランス王家を陰で支えていたことが記録されています。
この時点で異世界アニメに出てくるようなチート主人公のような万能ぶりですが、
これに加えて彼は錬金術師としての一面を持っていたようです。
その錬金術の知識を用いて彼が作り出したのが、飲むだけで不老不死になれるという霊薬
エリクサー

ファンタジーゲームなどでよく登場するアイテムなので、ご存じの方も多いと思います。
「彼はパンと水と霊薬以外の物を口にしなかった」という記録もあり、
この口にしていた霊薬がエリクサーだったではないかと考えられています。
この秘薬の存在によって彼は長い時を生きていたという訳ですね。
サンジェルマン伯爵の最期

そんな多彩な能力により、フランス王朝を支え続けた伯爵でしたが、
その存在を邪魔に思った一部の王族関係者の手によって、1760年フランスを追放されることとなってしまいます。
その後の彼はプロイセン・イタリア・イギリス・オーストリアといった多くの国を渡り歩き、最終的にはホルシュタイン公国(現在のドイツ)にて最期の時を迎えたと言われています。
しかしこれも信憑性に欠ける部分も多く、
1789年に起きたフランス大革命、さらにはそこから200年近く先の
1939年の日中戦争など

いくつかの歴史の節目に彼の目撃情報があることから、
「この死は偽装されたものであり、彼は現在も生きているのではないか」
と考える人も少なくありません。
こういった点もチート作品の主人公のように見えてしまいますね。
最後に

さて今回はサンジェルマン伯爵についてお話してみましたがどうでしたでしょうか?
長い時を生き続け、あらゆる才能を持った不老不死の錬金術師。
本当に小説に出てくるようなチートっぷりですよね。
サンジェルマン伯爵を主人公とした作品を作ったら流行るかもしれません。
ちなみに余談ですが、サンジェルマン伯爵のように長い時代を生き、数々の歴史的事件に登場する謎の人物が主人公のイギリスドラマをご存じでしょうか?
ドクター・フ―という作品で、筆者が一番好きなドラマです。
SF色が強いので都市伝説が好きな方は楽しめると思いますよ!
もし興味があればhuluなどで配信されているので見てみてくださいね!
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