近年様々な差別を見直す働きが活発化していますよね。
人種差別
男女差別
LGBT差別
こういった問題が表面化したことで、少数派や立場が弱い人々の人権を侵害したり、その人達を虐げてはならない。
こういった意識が少しずつ大衆に芽生え始め、差別を無くす動きが世界で盛んに行われています。
差別がない世界、この実現に向けた取り組みは非常に良いことですね。

しかし一部では今まで上手く回っていた社会に綻びが生じるのではないかと危惧する人や、
そもそも差別ではなく区別であり、これらが悪いことではない。
このように考えている人もいるのが実情です。
今回はこの差別と区別という問題に関して両者の違いをお話したいと思います。
差別と区別の差がイマイチ分からない!
という方は必見です。
相手を認めている

まず1つ目の違いはそもそも単語が持つ意味の違いです。
「区別」とは、あるものとの違いを認めた上で違いを分けることを指す言葉です。
一方で「差別」は偏見や先入観といった個人的価値観を前提に特定の何者かに不平等な立場強いる言葉です。
相手を認めた上でその違いを線引する「区別」と独断と偏見で違いがあるものを虐げる「差別」は本来全く別の言葉なのです。

しかし分けるという意味は同じであるために、権利や存在を認めず一方的に拒絶するような差別的思想が、「区別」であると認識されているのです。
上下関係の有無

2つ目の違いは「区別」には上下関係はないが、「差別」には明確な上下関係が存在しているという点です。
前述の通り「区別」は相手を認めた上で
違いを分けることですので、そこに基本的には優劣や上下関係は存在していません。
※受験やテストなど、上下関係を作ることを目的とした区別は除きますが。
一方で「差別」に関しては「差別する側」が「差別される側」に対して明確に優位に立っているという特徴があります。

「差別される側」は「差別する側」と比較して、数で劣っていることがほとんどであり、反発しても少数意見として聞き入れてもらうことが出来ないために理不尽な偏見や様々な弊害を甘んじることしかできないのです。
明確に上下関係が分けられているからこそ、差別から抜け出すことが困難になっているわけですね。
社会的メリット、デメリットでの区分け

3つ目の理由は社会にメリットとデメリット、どちらが多く存在するかという違いです。
極論を言えば、資本主義社会の前提となる民主主義を支える多数決などの存在も、少数意見を無視する差別だと言えなくもありません。
しかし多数決は投票に参加する権利は平等であるという認識のもと、必要な「区別」だとされていますよね。
この理由は多数決が社会にとって大きなメリットを与えているから。

社会の半数以上の同意を得られた上で、簡単に決め事に参加する権利を与えることができ、最低限の時間で決定が下せる。
このように社会に大きな恩恵があるために多数決は必要な「区別」だと認識されているのです。
もしこれらのメリットを度外視して国の決め事が多数決ではなく、少数決で決まるようになったなら、国民は多くの不満を覚え、「差別」だと口々に批判するようになるでしょう。
区別は必要なのか

さてここまで「差別」と「区別」の違いについてお話してきましたが、最後に「区別」は必要なのか。
という点についてお話したいと思います。
こんな曖昧な差を作るくらいなら区別もしなければいいのではないか。
そう思った方もいるかもしれません。
区別も差別も無くしてしまえば、こういった論争は起きなくなり本当の平等が訪れるのではないか、と。
しかし残念ながらそうはなりません。
なぜなら人間は生まれながらに、国籍や、性別、性格、体格、家族などが全て異なっているため、
生まれた瞬間から他者との差が生じてしまうためです。

この差を無視して平等に社会を作ろうとした場合、個人の個性や長所といったものが潰されてしまい、社会の発展は止まってしまいます。
そもそも身体能力も使える言語も異なるためすべての人間が一律で同じものを求められる世界というのは、それが出来ない人にとっては地獄でしかないのです。
こういった理由で世の中から差を無くすことは不可能であり、「差別」は世界にいらずとも「区別」だけはどうしても必要になってしまうのです。
最後に

さて今回は「区別」と「差別」の差についてお話しましたがどうでしたか?
世の中から差がなくならない以上、「区別」は必要であり、「区別」があるから「差別」が生まれる。
非常にもどかしいですが、こういった構図が社会にあるため、「差別」が簡単には無くならないのです。
差別を無くすには、遺伝子改造で人間の能力、思考をすべて均一にするか、同じ性能のアバターを全国民に配布し、そのアバターで生活をさせるしかないのかもしれませんね。
まぁ恐ろしいことに、日本はこれを本当にやろうとしているのですが…
気になる方はこちらのムーンショット計画という記事を読んでみてください。
日本、相当やばい事計画してますから。
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